駒形 克哉

駒形 克哉

1985年多摩美術大学芸術学科卒業/1959年東京に生まれる。1985年伊政府給費留学生としてミラノ・ブレラ美術学院絵画科ルチアーノ・ファブロ教室留学1990年卒業。2005年文化庁芸術家研修員としてローマ大学留学。展覧会、ワークショップなど多数。
洋服

洋服

駒形 克哉

1985年多摩美術大学芸術学科卒業/2008年/切り紙細工/103×73×4cm/撮影:宇野一博
生命の樹

生命の樹

駒形 克哉

1985年多摩美術大学芸術学科卒業/黄金切り紙細工/金紙、ルビー、サッファイア、キュービックジルコニア、紙、ガラス/103×73×4cm/解説:楽園の中心に「知恵の樹」と「生命の樹」が聳えている。「知恵の樹」は善悪を知る力を授ける故に、「生命の樹」は金の生る樹であるが故に触れる事が禁じられていた。しかし知恵の樹の実を食べたエヴァは善悪を得たが、その後「生命の樹」の実を収穫した歓びのあまり知恵は失われ盲目になり悪だけが残った。「金のなる樹」の枝振りは古代韻律ヘクサメトロンに基づく。/撮影:宇野一博
エコーの森 ・

エコーの森 ・

駒形 克哉

1985年多摩美術大学芸術学科卒業/2008年/103×72.8cmのパネル10枚による構成、207×365cm/黄金切り紙細工/金紙、ルビー、サッファイア、キュビックジルコニア、硝子/「エコーの森」シリーズに続く作品。失恋の悲しみで肉体を失った声の妖精エコーは森の薄暗がり中から、自らの発した声の響きで金色に染まった風景にナルキッソスが変身した水仙の花を見た。その彼女の見た光景を再現した作品。水仙の花の配置は古代詩の韻律ヘクサメトロンに基づく。/撮影:宇野一博
日本国十円金貨(偽金作りシリーズ・)

日本国十円金貨(偽金作りシリーズ・)

駒形 克哉

1985年多摩美術大学芸術学科卒業/2008年/黄金切り紙細工、擦りだし/金紙、紙、硝子/103×72.8cm/解説:貧乏人が金持ちになろうと偽金を作った。欲を出して十円金貨を作ったら流通させられずに、さらに貧乏になった。貧困に喘ぐ芸術家の寓意。またもう1つ異説もある。ミダス王の金貨。王が飲もうとした水が金の氷に変わって渇きに苦しんだ話は知られているが、彼が触れた銅貨が金貨に変わったものの流通させることができず金融危機を引き起こした話は知られていない。教訓:美と富への渇望と優れた仕事への志は、人に盲目になることの口実を与えたうえで貧困に突き落とす。教訓その2:蠅のように小さな価値をもつものに、駱駝のように大きな価値を授けても災いを呼ぶばかりである。/撮影:宇野一博
楽園の小鳥

楽園の小鳥

駒形 克哉

1985年多摩美術大学芸術学科卒業/2005年/黄金切り紙細工/金紙、硝子/103×72.8×4cm/正式作品名:「楽園の小鳥:楽園の小鳥は小鳥の楽園に住まっているのでしょうか。漸く見つけた幸せの小鳥を連れて帰ってくると用意してあった黄金の鳥籠にはもう別の小鳥が住まっているではありませんか。あなたは誰と小鳥に問いかけても私によく似た顔でぴよぴよきゅるると囀ばかりです。」
解説:漸く見つけた幸せの小鳥を連れて帰ってくると用意してあった黄金の鳥籠にはもう別の小鳥が住まっているではありませんか。戸惑う眼差しは画面上を彷徨い、鳥の影達に出会う。満たされない眼差しは彷徨い、鳥籠へと戻る。欠落が指し示す先のさらなる欠落の連鎖によって眼差が循環する。絵柄の欠落の連鎖が動力となっている眼差しの永久機関である。ひとは永久運動に捕われたとき、不安を忘れられる時がある。/撮影:宇野一博
「TERRAE MOTUS」地震:盲目の統治の寓意

「TERRAE MOTUS」地震:盲目の統治の寓意

駒形 克哉

1985年多摩美術大学芸術学科卒業/2008年/黄金切り紙細工/金紙、ルビー、キュビックジルコニア、硝子、紙/103×72.8cm/解説:生を暗示する結んだリボンが伸びて、地震で崩れる都が載っている盆を支える「統治」の寓意像の少女の目隠しとなる。少女が盲で歩くので地震は起きるが、都を支え手が塞がっているので目隠しを解けない。教訓:生あるかぎり人も統治も盲目であり、もたらされる災いもはかりしれない。/撮影:宇野一博/MTMコレクション所蔵